●平成26年度全国学力・学習状況調査結果の分析 ※平成26年4月22日実施

■「教科に関する調査」の結果から

  結果の分析から、特に、小学6年生の国語、算数、及び中学3年生の数学については、基礎的・基本的な知識・技能の確実な習得に一層力を入れる必要があることがわかりました。
 また、文章や資料から必要な情報を取り出し、伝えたい事柄や根拠を明確にして自分の考えを書くことについて、依然として課題があることもわかりました。

■「生活習慣や学習環境等に関する質問紙調査」の結果から
 
◆読書好きな「みなみの子ども」
 「1日当たりどれくらいの時間、読書をしますか」という設問では「30分以上」、「1時間以上」と回答している児童生徒の割合が小中学校とも全国平均よりも高く、多くの子どもが日常的に読書に親しんでいる様子がうかがえます。
 各小中学校では、司書教諭や図書室コーディネーターが中心となり、ボランティアの協力をいただきながら、魅力的な学校図書室の運営に努めております。また、市立図書館から小学校への配本サービスにより子どもたちにとって読みたい本が手元に届くようになりました。このように読書を推進する環境が整ってきた上に、各学校や家庭において読書活動への積極的な取り組みが行われた成果ととらえることができます。
 
◆家での過ごし方を見直し、家庭学習を習慣にしよう
 一昨年から引き続き「家庭学習時間の短さ」が課題となっています。
 平日、休日ともに、1日1時間以上勉強する子どもの割合が全国と比べて下回っています。
また、平日1日当たり「3時間以上テレビやビデオ・DVDを見たり、聞いたりする」、「2時間以上テレビゲーム(スマートフォン等を使ったゲームも含む)をする」、「2時間以上携帯電話やスマートフォンで通話やメール、インターネットをする」と答えた子どもの割合が、全国と比べてそれぞれ上回っています。
 ゲームや携帯電話、スマートフォンの利用時間が長いほど平均正答率が低い傾向が、特に中学生に顕著にみられました。
 
■今後に向けて

◆市の取り組み
 小中学校にプロジェクターやパソコン等のICT機器を追加配備するなど、教育環境の充実に努め、「わかる授業づくり」や基礎・基本の定着等、学力の向上を図ります。
 また、教職員の授業力向上のため、「かながわ学びづくり推進地域研究委託事業」に継続して取り組むとともに、「家庭学習のてびき」の活用等を図りながら、子どもたちの家庭学習の習慣化に向け、学校と家庭の連携を推進します。
 ※ 「家庭学習のてびき」・・・家庭学習の定着のため教育研究所で発行した冊子
   http://kyouikukenkyuujo.ed-minamiashigara.jp/global-image/units/upfiles/246-1-20140513161419.pdf

◆学校ごとの主な分析結果と今後の取り組み(〇成果、△課題、⇒今後の取り組み)
【北足柄小学校】
〇 国語において、事実や疑問を整理して関係付けながら書くなど、活用する力が十分ついている
△ 国語において、文章を読んで表現の仕方を考えるなど、読むことについて課題がある
△ 算数において、作図に用いられている図形の約束や性質の理解について課題がある
⇒ 国語において、多様なジャンルの文章や新聞の投書・社説を扱うなどして読む活動を充実する
⇒ 算数において、コンパスなどの用具を扱う際は、使用する意味を丁寧に扱い、より深く理解させる
 
【南足柄小学校】
〇 国語において、話合いの観点に基づいて情報を関係付けるなど、話す・聞く力がおおむねついている
△ 国語において、示された内容を関係付けて疑問を捉えるなど、読むことに課題がある
△ 算数において、立体図形とその見取図との辺や面のつながりや位置関係の理解に課題がある
⇒ 国語において、読書タイムを大切にし、読書に力を入れるなどして、読む活動を充実する
⇒ 算数において、多様なグラフや図などを一層ていねいに扱い、イメージをつかむ学習を充実する

【福沢小学校】
〇 国語において、目的に応じて話合いの観点を整理するなど、話す・聞く力がおおむねついている
△ 国語において、二つの詩を比べて読み、表現の工夫を捉えることにおいて課題がある
△ 算数において、作図に用いられている図形の約束や性質など、図形の理解において課題がある
⇒ 国語において、辞書の活用の習慣化を図り、言語への関心を高め、語いを増やす
⇒ 算数の図形おいて、ICTを効果的に活用するなどして具体的な操作活動を丁寧に扱い理解を深める

【岡本小学校】
〇 国語において、適切な話合いの記録の仕方を選択できるなど、聞く力がおおむねついている
△ 国語において、分かったことを整理し、関係付けながらまとめて書くことについて課題がある
△ 算数において、示された情報を整理し、筋道を立てて考え、求め方を記述することに課題がある
⇒ 国語において、自分の考えを書く際に、観点を絞って理由を記述する指導などを丁寧に扱う
⇒ 算数において、解答に至った過程や理由を順序だてて書く指導を繰り返し行う

【岩原小学校】
〇 国語において、詩の解釈における着眼点の違いを捉えることなどについておおむね力がついている
△ 国語において、目次や索引を活用して本を効果的に読むなど、読むことに課題がある
△ 算数において、示された情報の規則性を見いだすことなど、数量関係の技能に課題がある
⇒ 国語において、全校で音読に取り組み、声に出して読むことを大切にして読解力を高める
⇒ 算数において、日常生活に関連する問題を扱い、根拠をもって自分の考えを表現する指導を充実する

【向田小学校】
〇 算数において、平面に長方形を敷き詰めることなど、図形の技能においておおむね力がついている
△ 国語において、二つの詩を比べて読み、表現の工夫を捉えることなど、読むことに課題がある
△ 算数において、示された情報を基に適切に判断し、その理由を記述することに課題がある
⇒ 国語において、漢字の読み書きや故事成語の学習などに繰り返し取り組み、語いを増やす
⇒ 算数において、表や線分図・数直線など、情報を視覚的に把握して理解する活動を充実する

【南足柄中学校】
〇 国語において、文章から必要な情報を読み取り根拠を明確にして書くなど、書く力が十分ついている
△ 国語において、語句の意味を理解し文脈の中で適切に使うことについて若干の課題がある
△ 数学において、度数分布表から相対度数を求めるなど、資料の活用において課題がある
⇒ 国語において、幅広い読書を支援するなど、従来の取り組みを発展させ、さらに力をつけさせる
⇒ 数学において、絶対値など1年生だけで扱う内容について、意図的に復習するようにする

【岡本中学校】
〇 国語において、文脈の中において適切な語句を選択することについて比較的理解できている
△ 国語において、文脈に即して漢字を正しく読んだり書いたりすることに課題がある
△ 数学において、指数を含む正の数と負の数の計算や比例の立式など、数学的な技能に課題がある
⇒ 国語において、説明的な文章を扱う際、内容を明確にした上で必要な情報を得る学習を充実する
⇒ 数学において、週に1回昼休みに補習の時間を設定し、一人ひとりの学習内容の定着を図る
 
【足柄台中学校】
〇 数学において、グラフの特徴を解釈し結果を改善するなど、関数においておおむね力がついている
△ 国語において、複数の資料から必要な情報を読み取ることなど、読む力に課題がある
△ 数学において、事象の起こりやすさの傾向を捉え説明するなど、資料を活用する力に課題がある
⇒ 国語において、漢字の読み書きや慣用句やことわざなどに関する指導を充実させ、語いを増やす
⇒ 数学において、テストに説明問題を出題するなど、自分の考えを論理的に説明する活動を充実する 


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