●令和4年度 全国学力・学習状況調査結果の分析
                                                      ※実施日:令和4年4月19日


■全国学力・学習状況調査の概要(目的・対象学年・内容等)
   http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/gakuryoku-chousa/zenkoku/1344101.htm
  (文部科学省ホームページへのリンク)
 
■令和4年度 全国学力・学習状況調査の調査問題・正答例・解説資料
   https://www.nier.go.jp/22chousa/22chousa.htm
  (国立教育政策研究所ホームページへのリンク)
 
 
●本市の令和4年度 全国学力・学習状況調査結果の分析
 
■「教科に関する調査」の結果から
 令和4年度の全国学力・学習状況調査は,令和3年度より1ヶ月早く,令和4年4月に実施されました。今年度は,国語と算数・数学に加え,4年振りに理科が実施されました。
 本市の平均正答率を全国と比較したところ,本市の公立小・中学校の平均正答数・平均正答率は,全教科とも,全国公立学校の平均値と大きな差(±10%以内)は見られませんでした。
 小学校の国語では「読むこと」に係る問題,算数では「図形」の領域の問題などで課題が見られました。中学校の国語・数学では,小学6年時の調査結果から改善傾向にありました。数学では「思考・判断・表現」に係る問題において,全国と比較して上回っていました。授業改善に取り組んできた成果が表れていました。理科については,小・中学校とも全国と比較して,ほぼ同等もしくは上回る結果となりました。引き続き,感染症対策をしながら,課題を踏まえ,教育活動の充実を図ります。
 結果の概要は,「広報みなみあしがら」令和4年11月号にも掲載しています。
   https://www.city.minamiashigara.kanagawa.jp/public/
 
■学校ごとの主な分析結果と今後の取り組み     (○:成果,△:課題,⇒:今後の取り組み)

南足柄小学校
国語
○ 文章全体の構成や書き表し方などに着目して文章を書いたり,配列に注意して書いたりする力が身に付いている。
△ 文学的文章を読んで内容を捉えることなど,「読むこと」に関する内容について課題が見られる。
⇒ 文学的文章に初見で触れる機会を設けることで,その物語から伝わってくることを考え,条件に沿ってまとめる経験を増やしていく。
算数
○ 比例関係を活用したり,割合を求めたりするなど,二つの数量の関係について考察する力が身に付いている。
△ プログラミング的思考を用いて,図形の意味や性質を基に図形の構成の仕方を考察することに課題が見られる。
⇒ プログラミング等のICT機器を効果的に活用して,図形の意味や性質の理解を確実にする。
理科
○ 「エネルギー」や「生命」を柱とする領域の知識が身に付いており,理科に対する関心の高さが知識の定着につながっていると考えられる。
△ 観察や実験などで得た結果を複数の視点で分析したり解釈したりすることに課題が見られる。
⇒ 複合的な資料から必要な情報を読み取る力を育てる活動を,意識的に取り扱っていく。
福沢小学校
国語
○ 記述式の問題に対して,粘り強く取り組む児童が増えた。
△ 算数や理科に比べて,基礎的な知識が身に付いていない児童が多い。
⇒ 目的を明確にし,学習を展開する。授業中,何をしたらよいか分からないといった児童を減らし,国語嫌いをなくしていく。
算数
〇 校内研究の成果として,基礎的な力や論理的な思考力が培われている。
△ 二極化が大きい。算数を苦手とする児童の無回答率が高い。
⇒ ICT機器を活用することで,児童一人ひとりが楽しく学べるようにしていく。ICT機器の活用方法についても,引き続き校内研究に位置づけながら,児童の学力向上につなげていきたい。
理科
〇 全体的には基本的な知識がよく身に付いていた。
△ 理科を苦手としている児童の無回答率が高い。
⇒ 授業中,小テストを実施するなど,児童一人ひとりが基本的な知識について定着を図る機会を継続的に設定していく。
岡本小学校
国語
○ 話し合いにおいて,互いの立場や考えを尊重しながら,自分の考えを伝えようとする力がついてきている。
△ 課題を的確に捉え,それに対する解決策を考えることができていない。
⇒ 目的に応じて文章と資料を結びつける活動を重視する。
算数
○ 基礎的・基本的な知識や計算技能は身に付いている。
△ 文章から必要な情報を読み取る力や論理立てて思考する力に課題がある。
⇒ 問題解決に必要な情報から考え,筋道立てて論理的に問題解決をする指導展開をする。
理科
〇 器具の名称や昆虫の体のつくりなどの基本的な知識はよく身についている。
△ 結果から分析することへの苦手意識がある。
⇒ 実験の結果から問題を分析し,生活経験と関係付けて考えさせながら,結論を導き出させる。
岩原小学校
国語
○ 「知識及び技能」や「思考力・判断力・表現力等」で求められる資質・能力について概ね身に付けている。
△ 叙述を基に読み取って自分の考えを形成し,まとめて書く力に課題が見られる。
⇒ 授業の中で,市立図書館の配本サービスを利用し,関連図書を活用した学習活動を行うなど,目的に応じて必要な情報を読み取る力を育てる。また,活字に多くふれることで語彙を増やすなど,日常的に漢字や言葉にふれることのできる機会を意図的に設ける。
算数
○ 目的に応じたものを選択し,必要な情報を読み取ることで表やグラフに表現するという力が概ね身に付いている。
△ 「C 変化と関係」の領域について,百分率で表された割合を分数で表したり,比較量を求めたりすることに課題がある。
⇒ 児童の身近なものや事象と関連させて考えることで記憶に残り,学習が定着すると考える。そのため,児童の興味関心が高く,魅力的な教材教具の活用をしたり,日常生活で生かせる知識を伝えたりして学習を進める。
理科
○ 観察や実験等で得た結果を自分なりに分析し,まとめていくという力が概ね身に付いている。
△ 実験機器の名称や使い方,日常生活に関連した事象の理解等に課題が見られる。
⇒ 実験機器の名称や使用方法と併せて,使用する意図や目的等も考えさせる。また,日常生活における子どもたちの経験や自然現象等を生かした指導内容を工夫し,さらに教科横断的な指導にも努める。
向田小学校
国語
○ 話し言葉と書き言葉との違いを理解することができている。
△ 文章全体の構成や書き表し方などに着目して,文や文章を整える指導が十分にできていなかった。
⇒ 感想や振り返りなど文章を書く場面では,同じ部分をもつ漢字や同じ読み方をする漢字に注意して書かせる時間を確保する。
算数
○ 図形を構成する要素に着目して,ひし形の定義を理解している。
△ 正三角形の構成の考察など,問題を解決するために見通しをもち,筋道を立てて考え,その考え方や解決方法を説明することに課題がある。
⇒ 式や数字の意味を考えたり,既習内容と関連付けたりしながら,説明する活動を設ける。
理科
○ 実験の目的に応じて器具や機器を選択し,観察・実験などに関する基本的な技能が身に付いている。
△ 観察・実験で得た結果について,自分と他者の気づきを比較して,深める話し合いの時間が確保できなかった。
⇒ 一つの結果からまとめるだけではなく,複数の結果から分析するなどの場面を意図的に位置づける。
南足柄中学校
国語
○ 記述式の問題では,正答率が全国平均を上回った。
△ 話すこと・聞くことの領域の中で全国平均を下回っている問題があった。
⇒ 話し合い活動の中でICT機器を活用し,話し方や表現の工夫を効果に行える場を設ける。
数学
○ 素因数分解や方程式,関数など知識・技能の観点に関する問題の正答率は全国平均を上回った。
△ 資料の活用の領域に関するヒストグラムの問題の正答率が全国平均を下回った。
⇒ 身の回りのデータを用いて,判断の理由を説明するための活動をとりいれていく。
理科
〇 図や説明から,事象を理解し,科学的に思考する力がついていた。
△ 思考した内容を論理的に説明する力を育めるとよい。
⇒ 観察や実験を通して考えを深め論理的に表現する力を磨けるとよい。
岡本中学校
国語
○ 国語科では,物語の描写から内容を想像し,登場人物の言動からその意図を解釈する力が高まっている。
△ 比較的長い文章の中での表現技法とその効果の理解に課題が見られる。
⇒ なぜ表現技法が使われているのか,その効果を考えさせる場面を設定することで,作品の理解を深める。
数学
○ 数学科では,結論が成り立つための前提を考え,新たな事柄を見いだし,説明する力が高まっている。
△ 数学的な用語についての基礎的な知識について課題がある。
⇒ 授業で,基礎的な知識を繰り返し確認しながら,基礎・基本の定着を図るとともに,知識・技能を活用して,数学的に説明をする力をさらに高める。
理科
○ 授業でのICT機器の活用が進んできた。
△ 思考力・判断力・表現力等や,他者との交流を図るためのICT機器の活用には課題が見られる。
⇒ 思考力・判断力・表現力等を育むICT機器の活用場面を各授業で実践し,教科を越えて共有する。
足柄台中学校
国語
○ 自分の考えを書こうとする意欲や書く力が高まっている。
△ 根拠を明確にして書くこと,表現することについて課題が見られる。
⇒ 伝わりやすい文章の型を示し,書くことが明確になるような条件をつけた作文課題を積み重ねていく。
数学
○ 基礎的・基本的な知識や技能が定着している。
△ 他の学習内容とのつながりを意識できていない単元の内容で正答率が低い問題が見られる。
⇒ 単元やその先の学習とのつながりを意識した授業の工夫・改善を行う。
理科
○ 記述式の問題では,無解答率も少なく, 実験の探究の方法を検討し,結果を解釈する力が高まっている。
△ 1年次に学習した内容の定着に課題が見られる。
⇒ 日常生活と関連付けながら,分野ごとに前学年の復習をしっかり行う必要がある。
【南足柄市】令和4年度全国学力・学習状況調査結果分析

【南足柄市】令和4年度全国学力・学習状況調査結果分析(1.1MB)

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詳細分析については,11月中旬に更新したものをアップロードいたします。

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