●令和3年度 全国学力・学習状況調査結果の分析
                                                                   ※令和3年5月27日実施


■全国学力・学習状況調査の概要(目的・対象学年・内容等)
   http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/gakuryoku-chousa/zenkoku/1344101.htm
  (文部科学省ホームページへのリンク)
 
■令和3年度 全国学力・学習状況調査の調査問題・正答例・解説資料
   https://www.nier.go.jp/21chousa/21chousa.htm
  (国立教育政策研究所ホームページへのリンク)
 
 
●本市の令和3年度 全国学力・学習状況調査結果の分析
 
■「教科に関する調査」の結果から
 令和2年度は全国一斉の臨時休校措置の影響で中止された全国・学力学習状況調査ですが,今年度は,例年より1ヶ月遅らせ,令和3年5月に実施されました。
本市の平均正答率を全国と比較したところ,小学校国語,算数は,全国平均正答率を5%より下回っており,中学校国語,数学は,全国平均正答率±5%の範囲内にありました。なお,小・中学校ともに,全国平均正答率±10%以内には,全教科が含まれていました。
 小学校の国語では,知識の習得,算数では思考・判断・表現に係る記述式の問題で課題が見られました。中学校の国語では,小学6年時の調査結果から改善傾向にありますが,数学では数学的な見方・考え方を働かせ,解答する記述式の問題で課題が見られました。引き続き,感染症対策をしながら,課題を踏まえ,教育活動の充実を図ります。
 結果の概要は,「広報みなみあしがら」令和3年11月号にも掲載しています。
   https://www.city.minamiashigara.kanagawa.jp/public/
 
■学校ごとの主な分析結果と今後の取り組み     (○:成果,△:課題,⇒:今後の取り組み)
 【北足柄小学校】
○ 国語では,言語に関することなど知識・技能に関する内容はよく理解できている。
○ 算数では,測定の領域がよく理解できている。
△ 国語では,条件に応じて文章をまとめる力に,課題が見られる。
△ 算数では,問われていることや変化の様子などを,資料を使って分析する力に,課題が見られる。
⇒ 国語では,相手や目的を意識させ,伝えたいことを正しく文章にまとめられるように,授業で書く機会を多く設定する。
⇒ 算数では,資料(表やグラフなど)読み取りの際に,題意に合わせて必要な情報を正しく読み取れるよう丁寧に行い,分析する力を高める。
 
【南足柄小学校】
○ 国語では,資料を活用し,自分の考えが伝わるように話す力が身に付いてきている。
○ 算数では,条件に合う時刻を求めたり,棒グラフから数量を読み取ったりする力が身に付いている。
△ 国語では,漢字を正しく表記することや,主語と述語,修飾語と被修飾語の関係を捉えることに課題が見られる。
△ 算数では,図形の面積を求めることや,データを分類整理したり複数のデータを比較したりすることに課題が見られる。
⇒ 国語では,積極的に文章を書く活動を取り入れ,習得した漢字を使うことや,主語,述語を意識して書くことを習慣化させる。このことは,他教科でも推進していく。
⇒ 算数では,「図形」領域の系統性を押さえた単元指導計画を立てるともに,なぜその式になるのかを自分の言葉で説明し合う活動を取り入れることで,公式等を形式的に覚えるのではなく,その意味まで理解できるように意識して指導していく。
 
【福沢小学校】
○ 国語,算数ともに基礎的・基本的な力は,身に付いている。
○ 粘り強く取り組む学習に対する姿勢が,高まっている。
△ 初見の問題に対しても,柔軟に捉え,既習を生かしながら自力で解決する経験を積む必要がある。
△ 論理的に思考し,それを相手に伝わるように説明する力をつけていく必要がある。
⇒ 本校研究における「学び合い」の前段階の「自力解決」の時間をこれまで以上に大切に捉える。児童が自力解決で必要とする既習をいつでも活用できるように,日々の授業で継続して指導していく。
⇒ 「学び合い」を通して,児童の論理的に思考する力を高めていく。「学び合い」で,様々な考えを伝え合う過程が,児童一人ひとりの思考力を高める機会となることを教員が共通理解し,授業を行う。
 
【岡本小学校】
○ 国語では,友達との意見をよく聞き,得た知識を工夫し,活用しようとする意欲が見られる。
○ 算数では,データ処理(表やグラフの読み取り)がよくできている。
△ 国語では,必要な情報を正しく読み取れていないため,条件に合わせて自分の考えを文章に表すことができない。
△ 算数では,文章の記述,説明等の力に,課題が見られる。
⇒ 国語では,目的に応じて文章と資料を結びつける学習活動を重視していく。
⇒ 算数では,自分の考えや学習のまとめをノートに書くことを重視し,算数で学習した言葉を用いて記述できるよう指導する。
 
 【岩原小学校】
○ 国語では,「話すこと・聞くこと」の内容について,話の構成を考えることが,概ね身に付いている。
○ 算数では,「C 変化と関係」「D データの活用」の領域について,条件に合う時刻を求めることや棒グラフから数量や項目間の関係を読み取ることが,概ね身に付いている。
△ 国語では,意味に合わせて漢字を正しく書くこと,主語と述語,修飾語と被修飾語の関係に気をつけて書くこと,目的や意図を捉えたり内容の中心を明確にしたりして書くことに課題がある。
△ 算数では,図形の構成の仕方を捉えて面積の求め方を説明することや,複数の情報から解決方法について考えたことを,筋道立てて書いたり説明したりすることに課題がある。
⇒ 国語では,文章を書く際には,文脈を考えながら積極的に漢字を使ったり,本などの活字に多くふれることで語彙を増やしたりするなど,日常的に漢字に触れさせる経験を意図的に設ける。
⇒ 算数では,授業で,自分の考えを書く活動や友達の考えと比較して新たな考えを導き出したり,友達の考えを自分の言葉で説明したりする活動を充実させていく。考えの根拠や筋道を明確にしていくことで,思考力,表現力の育成につなげていく。
 
【向田小学校】
○ 国語では,目的に応じて,必要な資料を適切に選び,話し方を考えることができる。
○ 算数では,資料やグラフを見て,情報を正しく読み取ることができる。
△ 国語では,条件に応じて文章をまとめたり,自分の考えを順序立てて説明したりする力に,課題が見られる。
△ 算数では,式の意味を理解し,既習内容をもとに論理的に説明する力に,課題が見られる。
⇒ 書く力を高めるために,各教科の終わりにふり返りを書く活動を行い,学習の要点や自分の学びを順序立てて書くように指導する。
⇒ 算数では,式の中の数字が示す意味を考えさせたり,既習内容と関連付けたりしながら,説明させるようにしていく。
 
【南足柄中学校】
○ 国語では,意見文の下書きの構成の工夫について,自分の考えを書く力が高まっている。
○ 数学では,基本的な数量や図形などの知識をもち,理解する力が高まっている。
△ 国語では,話すこと・聞くことの領域に関する問題で,課題が見られる。
△ 数学では,資料の活用の領域に関する問題で,課題が見られる。
⇒ 国語を中心に各教科で自分の考えを書いたり話したりする時間を確保し,思考力,判断力,表現力の一層の充実に努める。
⇒ 数学を中心に各教科でICT機器を活用し,資料等から根拠を明確にして考えを広げ深められるよう指導する。
 
 【岡本中学校】
○ 国語では,自分の考えを書こうとする意欲や書く力が高まっている。
○ 数学では,数学的に解決方法を考える力が高まってきている。
△ 国語では,相手や場に応じて適切に敬語を使うことに課題が見られる。
△ 数学では,数量やその関係を捉え,方程式をつくることに課題が見られる。
⇒ 国語では,基礎・基本の定着を図る際に,生活に即した実践的な技能も高めていく。
⇒ 数学では,授業で既習事項を確認しながら,基礎・基本の定着を図っていく。また,数量やその関係を捉え,立式に至るまでの自分の考えを記述することも重視する。
 
 【足柄台中学校】
○ 国語では,漢字の読みはよくできており,日頃の反復学習の成果がうかがえる。
○ 数学では,基本的な計算はよくできており,計算練習の成果がでている。
△ 国語では,主要な部分やキーワードに着目しながら書き手や発言者の意図を読み取り,自分の考えを表現する能力が十分に身についていない。
△ 数学では,身につけた基本的な知識をどう活用するかが定着していない。学習した内容を1つ使えば解ける問題は良いが,2つ以上の知識を組み合わせて解いていくような問題の練習が必要である。
⇒ 国語では,重要な部分やキーワードに線を引きながら読ませ,書き手の意図を読み取らせるとともに,思考ツール等を用いて自分の考えを整理し,根拠を明確にしてから表現する。
⇒ 数学では,繰り返し既習内容を扱いながら,より実践的な問題を多く取り入れ,応用力をつける。

【南足柄市】令和3年度全国学力・学習状況調査結果分析

【南足柄市】令和3年度全国学力・学習状況調査結果分析(767.1KB)

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