●平成28年度全国学力・学習状況調査について
                                                                         ※平成28年4月19日実施
■全国学力・学習状況調査の概要(目的・対象学年・内容等)
 http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/gakuryoku-chousa/zenkoku/1344101.htm
 (文部科学省ホームページへのリンク)


■平成28年度全国学力・学習状況調査の調査問題・正答例・解説資料
 http://www.nier.go.jp/16chousa/16chousa.htm
 (国立教育政策研究所ホームページへのリンク)


 

●本市の平成28年度全国学力・学習状況調査結果の分析


■「教科に関する調査」の結果から
 分析の結果、小中学校ともに国語における書く力や読む力、算数・数学における図形を解く力や計算の力など様々な力がバランスよく育っていることがわかりました。
 さらに詳しく設問ごとに見ると、小学校では、国語においてローマ字を書くことが得意であるが、算数において小数の割り算にやや課題があること、中学校では、全国的に正答率の低かった難しい漢字を書くことができたが、一元一次方程式を解くことについて課題が見られることがわかりました。
 詳しくは「広報みなみあしがら」平成28年12月号をご覧ください。 
http://www.city.minamiashigara.kanagawa.jp/global-image/digitalArch/217/pdf/20161130091150.pdf



■「生活習慣や学習環境等に関する質問紙調査」の結果から
◆読書や国語が好きな「みなみの子ども」
 「学校の授業時間以外に,普段(月~金曜日),1日当たりどれくらいの時間,読書をしますか」という設問に「1時間以上」と回答した小学生の割合が全国平均より高く,また,「400字詰め原稿用紙2~3枚の感想文や説明文を書くことは難しいと思う。」の設問に否定的な回答(難しいと思わない)をした小学生の割合が全国平均より高く,読むことや書くことに意欲的に取り組もうとする様子がうかがえました。
 「国語の勉強は好きですか」「国語の授業の内容はよく分かりますか」の設問に「当てはまる」「どちらかといえば当てはまる」と回答した中学生の割合が全国平均よりも高く,国語に前向きに自信を持って取り組んでいることがわかりました。
 なお,「算数の勉強は好きですか」の設問に「当てはまる」「どちらかといえば当てはまる」と回答した小学生の割合が全国平均よりも低く,課題と考えられます。

 
◆休日,1時間以上勉強する小学生が増加
 「土曜日や日曜日など学校が休みの日に,1日当たりどれくらいの時間,勉強(学習塾で勉強している時間や家庭教師に教わっている時間も含む)をしますか」の問いに「1時間以上」と回答した小学生の割合が,28年度には50%を超えました。全国平均より低い状況にあるものの,26年度から2年連続増加しました。
 
◆平日,2時間以上インターネットを利用する中学生が減少
 「普段(月~金曜日),1日当たりどれくらいの時間,携帯電話やスマートフォンで通話やメール,インターネットをしますか」の問いに「2時間以上」と回答した中学生の割合が,全国平均よりも高い状況にあるものの,調査を開始した26年度から2年連続で減少しました。
 
◆依然として長い、ゲームで遊ぶ時間
 「普段(月~金曜日),1日当たり,テレビゲーム(コンピュータゲーム,携帯式のゲーム,携帯電話やスマートフォンを使ったゲームも含む)をしますか」の設問に「2時間以上」と答えた小中学生の割合が全国平均よりも高い結果となりました。

 詳しくは「広報みなみあしがら」平成28年12月号をご覧ください。 
http://www.city.minamiashigara.kanagawa.jp/global-image/digitalArch/217/pdf/20161130091150.pdf



■一層の学力向上を目指して

 国語が好きな子どもたちが一層国語を好きになるよう,また,算数・数学をはじめその他の教科も好きになるよう,「かながわ学びづくり推進地域研究委託事業」をとおして引き続き授業改善に取り組みます。
 算数、数学では、おおむね全国と同程度の結果ではありましたが,算数・数学においては「活用問題」よりも「知識問題」にの課題がありました。平成26年度,小中学校に導入したプロジェクターなどのICT機器を活用するなどして,「わかる授業づくり」や基礎・基本の定着を図ります。
 休日の小学生の学習時間や平日の中学生のインターネットの利用状況について,全国と比べて良好とはいえないものの,改善が見られています。引き続き,学校と家庭の連携のもと今年度、3つの中学校の生徒会が協力して作り上げたインターネット利用方針「自分と周りの人の幸せを守るための14か条」を生かすなどして、家庭学習の習慣化やインターネットの適切な利用に向けた取り組みを推進します。

 さらに,家庭学習の充実を目的に,インターネットを活用したe-ラーニングのシステムを引き続き提供します。
 これからも,学校・家庭・地域・行政が一層連携し,南足柄の子どもたちの教育の充実をめざしていきます。



■学校ごとの主な分析結果と今後の取り組み
                             (○:成果、△:課題、⇒:今後の取り組み)
【北足柄小学校】
○国語において、漢字の読み書きが定着し、質問の意図や展開に沿って自分の考えを表現する力が高まってきている。
○算数において、特に「数と計算」や「量と測定」の領域における知識理解・技能面の基礎的な力が定着してきている。
△国語・算数において、資料などを総合的に読み取って表現することや、条件を満たして問題を解決することに課題がある。
△国語において、めあてを明確に意識して学習に取り組むことができているかという点に課題がある。
⇒国語・算数において、条件に合わせてまとめる力、資料等を総合的に読み取り相手の意図に合わせて考える力を高める。
⇒各教科において、めあてをもち、問題解決のために必要なことを見抜き、主体的に取り組む学習活動の充実を図る

【南足柄小学校】
○知識問題・活用問題共に無回答率が低いことや質問紙の学習習慣に関する調査の結果から、学習意欲の向上が見られる。
○国語の知識問題において、目的に応じて問題を読み、選択したり記述したりする力が身についてきている。
△算数において、示された考えを基に根拠となる事柄を説明したり、必要な情報を読み取り活用したりする力に課題がある。
△国語において、問題を把握し、問われていることや出された条件について、文章にまとめる力に課題がある。
⇒国語において、自分の考えや意見を整理して相手に分かりやすく伝えるための思考力・判断力・表現力の育成を図る。
⇒算数において、条件に合わせて書くことのできる力を身につけることを意識し、ノート指導などの充実を図る。 

【福沢小学校】
○国語において、基礎的な漢字の読み書きや、問題の文章を丁寧に読み要旨をまとめる力に成長が見られる。
○算数においては、問題文と関連した資料を読み取り、提示された条件にあう項目を選ぶ思考力が向上している。
△国語において、与えられた資料を課題に沿って読み解く力や目的に応じた文章の書き方に課題がある。
△算数においては、言葉や式を使って解決の過程を説明すること、友達の考えや例題を応用して表現することに課題がある。
⇒国語においては、提示資料を課題に沿って読み解き、目的に応じた文章を書く力の育成に努める。
⇒算数において、問題解決の手順を言葉と式で表現する場を意図的に設定し、思考力・判断力・表現力の育成に努める。

【岡本小学校】
○国語においては、学習した漢字を正しく読んだり書いたりする力が身に付いて、定着してきている。
○国語・算数において、与えられた問題から必要な情報を判断し、正しく選ぶ力が身に付いてきている。
△話し手の意図を捉えながら話を聞いたり、目的に応じて書いたりすることについて課題が見られる。
△算数において、示された課題をイメージして的確に読み取ること、式の意味を書くことに課題がある。
⇒基本的な計算や漢字、ローマ字表記については、間違えやすい問題を例示しながら繰り返し指導する。
⇒話し手にどのような思いがあって話しているのか考えながら聞けるよう、学年に応じ「聞く」指導を徹底する。

【岩原小学校】
○国語においては、全般的に基礎的基本的な力の定着が見られ、特にローマ字を書くことができている。
○算数においては、除法の性質に基づいて、小数の計算を整数の計算に置き換え計算することがおおむねできている。
△国語においては、質問の意図を捉えたり、自分の考えを的確に書いたりすることにやや課題が見られる。
△算数において、除法の式の形と関連付け、角の大きさを基に、その式の意味を記述することに課題がある。
⇒国語において、インタビューなどを用いて、意図を捉えながら聞き、自分の考えを的確に書く力の育成に努める。
⇒算数において、図形の構成要素に着目して式の意味を説明する活動を取り入れ、論理的に考察する力の育成に努める。

【向田小学校】
○国語においては、漢字の読み、ローマ字の読み書き、文章の読み取りについては定着を図ることができている。
○算数においては、単位量当たりの大きさを求めるために,ほかに必要な情報を判断し,特定することができている。
△国語においては、グラフや表から読み取ったことを根拠にして自分の考えをまとめることに課題が見られる。
△算数においては、記述式の問題での正答率がやや低く、考えたことを筋道立てて説明することに課題がある。
⇒授業の中で、自分の考えを書き、考えの根拠や道筋を明確にしていくことで、思考力、表現力の育成につなげていく。
⇒漢字の読み書きや、基本的計算の技能などについては、確実な定着が図れるよう、家庭とも連携し、繰り返し練習する。

【南足柄中学校】
○国語・数学ともに、知識に関する調査だけでなく、活用に関する調査において日頃の学習活動の成果が表れている。
○研究テーマ「思考力、判断力、表現力が高まる指導法の工夫」に基づいた教員の授業改善の成果が表れている。
△国語科において、複数の資料から適切な情報を得て、自分の考えを具体的に書くことにやや課題がある。
△数学科において、事象を式の意味に即して解釈し,その結果を数学的な表現を用いて説明することにやや課題がある。
⇒基礎的・基本的な知識・技能については、日常生活の中での活用場面も考えさせながら指導していく。  
⇒思考力、判断力、表現力を高めるための指導法を工夫するとともにそれらを見とる評価問題の改善をしていく。

【岡本中学校】
○国語については、「読む」「書く」「聞く・話す」など、評価の観点ごとにバランスのよい結果となっている。
○数学については、授業中のドリル学習や家庭学習の取り組みで基礎・基本の定着を図ることができている。
△国語については、文脈の中で語句の意味を理解したり、文の成分の照応について理解したりする力に課題がある。
△数学については、日常生活に結びついた問題を解く際、習得した知識を活用することに課題が見られる。
⇒国語については、辞書やワークなどを活用して語彙を豊かにしたり、文法事項について確認したりして定着を図る。
⇒数学については、「習得」と「活用」のバランスを考えながら授業を行い、思考力・判断力・表現力を養っていく。

【足柄台中学校】
○国語については、学校全体として書く機会を増やしたことにより、自らの考えを書く力を高めることができている。
○数学については、中学2年で扱った内容、特に「図形の概念」や「1次関数の考え方」などの理解が高められている。
△国語については、目的に応じて文章を要約することや文章の構成をとらえることに課題が見られる。
△数学については、基礎的な計算力と、特に図形領域の問題において考えを説明する力が不足している。
⇒国語については、型を示すなどしながら、読む活動や書く活動の際に文章構成を意識させ、力の定着を図る。
⇒数学については、授業のはじめに毎回小テストを実施するなどして、基礎的な計算力の定着を図る。
H28_全国学力・学習状況調査本市の結果(詳細)

H28_全国学力・学習状況調査本市の結果(詳細)(3.8MB)

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