●平成27年度全国学力・学習状況調査結果の分析
※平成27年4月21日実施
◆「教科に関する調査」の結果から
分析の結果、中学校国語の書く力や数学の「数と式」、理科の観察や実験の技能が特に高く、小学校国語の話す力・聞く力と言語についての知識・理解・技能に課題があることがわかりました。
◆「生活習慣や学習環境等に関する質問紙調査」の結果から
●授業に前向きに取り組む「みなみの子ども」
「学校の授業などで自分の考えを他の人に説明したり、文章に書いたりすることは難しいと思いますか」の設問に「そう思わない」、「どちらかといえばそう思わない」と回答した小学生の割合が全国平均より特に高く、積極的に自分の考えを伝えようとする様子がうかがえました。また「数学の勉強は好きですか」、「数学の授業の内容はよく分かりますか」の設問に「当てはまる」、「どちらかといえば当てはまる」と回答した中学生の割合が全国平均よりも特に高く、数学の学習に前向きに取り組んでいることがわかりました。
◆「生活習慣や学習環境等に関する質問紙調査」の結果から
●授業に前向きに取り組む「みなみの子ども」
「学校の授業などで自分の考えを他の人に説明したり、文章に書いたりすることは難しいと思いますか」の設問に「そう思わない」、「どちらかといえばそう思わない」と回答した小学生の割合が全国平均より特に高く、積極的に自分の考えを伝えようとする様子がうかがえました。また「数学の勉強は好きですか」、「数学の授業の内容はよく分かりますか」の設問に「当てはまる」、「どちらかといえば当てはまる」と回答した中学生の割合が全国平均よりも特に高く、数学の学習に前向きに取り組んでいることがわかりました。
●平日の、学校以外の学習時間が増加
「学校の授業時間以外に普段(月~金曜日)1日当たりどれくらいの時間勉強をしますか」の設問に「2時間以上」と回答した中学生の割合が全国平均より高くなっていました。また同じ設問に「1時間以上」と回答した小学生の割合は全国平均には届かないものの、26年度は51・1ポイントだったものが、27年度は59・2ポイントとなり、大幅に増加しました。
一方「土曜日や日曜日など学校が休みの日に1日当たりどれくらいの時間勉強をしますか」の設問に「1時間より少ない」と答えた小中学生の割合は、全国平均を上回っていて、引き続きの課題となりました。
●依然として長いゲームで遊ぶ時間
「普段1日当たりどれくらいの時間、テレビゲーム(コンピューターゲームや携帯式のゲーム、携帯電話やスマートフォンを使ったゲームも含む)をしますか」の設問では「2時間以上」と答えた小中学生の割合が全国平均よりも高い結果となりました。ゲームについては子ども自身に遊ぶ時間を守る意思を持たせることが課題です。
◆さらなる学力の向上へ
今回の調査結果から明らかになった課題解決のため、また、更なる学力向上を図るため、26年度に小中学校に導入したプロジェクターやパソコンなどのICT機器を活用した「わかる授業づくり」や基礎・基本の定着など、学力の向上を図ります。 さらに教職員の授業力向上のため、26年度に県教育委員会から委託を受けた「かながわ学びづくり推進地域研究」に継続して取り組んでいくとともに、インターネットを活用したe-ラーニングのシステムを提供しています。
一方、休日の家庭学習時間の確保や時間を決めてゲームを楽しむ習慣を身に付けることなどは、学校教育の場だけで解決することができません。これからも学校・家庭・地域・行政が一層連携し、南足柄の子どもたちの教育の充実を目指していきます。
※参考 「家庭学習のてびき」・・・家庭学習の定着のため教育研究所で発行した冊子
http://kyouikukenkyuujo.ed-minamiashigara.jp/
◆学校ごとの主な分析結果と今後の取り組み
(○:成果、△:課題、⇒:今後の取り組み)
【北足柄小学校】
○ 国語において、長文の内容を的確に押さえながら要旨を捉える力が十分ついている
○ 理科において、前年度の学習内容が十分身に付き、特にエネルギーの分野の理解が高い
△ 国語において、文中の主語を捉え、述語との照応関係を理解することについて課題がある
△ 算数において、図形の特徴や性質をとらえ、それを生かして問題を解くことに課題がある
⇒ 国語において、「書く指導」だけでなく「話す・聞く指導」においても文法指導を充実させる
⇒ 算数において、作図をする時などは、丁寧にやり方を確認し、それを活用する問題などに取り組むようにする
○ 国語において、長文の内容を的確に押さえながら要旨を捉える力が十分ついている
○ 理科において、前年度の学習内容が十分身に付き、特にエネルギーの分野の理解が高い
△ 国語において、文中の主語を捉え、述語との照応関係を理解することについて課題がある
△ 算数において、図形の特徴や性質をとらえ、それを生かして問題を解くことに課題がある
⇒ 国語において、「書く指導」だけでなく「話す・聞く指導」においても文法指導を充実させる
⇒ 算数において、作図をする時などは、丁寧にやり方を確認し、それを活用する問題などに取り組むようにする
【南足柄小学校】
○ 国語において、登場人物の行動を基に場面の移り変わりを捉えるなどの読む力が、おおむねついている
○ 算数において、数の見積もりを立てるなどの概数についての理解が、おおむねできている
△ 国語において、目的や意図に応じて簡単に書いたり詳しく書いたりすることに課題がある
△ 理科において、器具の名称を理解し、その操作方法を身に付けることに課題がある
⇒ 国語において、短作文の時間を充実させ、目的や意図に応じて内容を整理して書く活動に、さらに力を入れていく
⇒ 理科において、様々な機会を通し顕微鏡などの器具を使い、また、必要感をもって観察できるようにする
【福沢小学校】
○ 国語において、説明文の要旨をまとめたり、適切な表現を選択したりする力が育ってきている
○ 算数において、特に図形領域の円や三角形の性質について、おおむね理解している
△ 国語において、文章に書かれた内容と図や表などを関連付けて理解する力に課題がある
△ 算数において、題意を正確につかみ、問題解決に必要な情報を選択し取り出す力に課題がある
⇒ 国語において、目的に応じた文章の書き方の指導を工夫し、条件を限定して書く課題を増やしていく
⇒ 算数や理科において、自力解決の結果や学習のまとめなどを、自分の言葉や数式、図で書く機会を増やす
【岡本小学校】
○ 国語において、物語文の登場人物の気持ちや、場面の移り変わりを考えて読み進めることができる
○ 算数において、見取図と展開図を関連付けて,立体図形の辺や面の位置関係をおおむね捉えることができる
△ 国語において、話し手の意図をくみとって聞くなど、話の内容に対する聞き方を工夫することに課題がある
△ 算数において、図形の性質から手がかりを見出し、それを活用して解き進めることに課題がある
⇒ 話を聞く際、話し手がどういう思いや理由があって話しているのか等について、考えながら聞くように指導する
⇒ 算数において、問題に対し、何を活用すればよいか、しっかり見通しを持たせて、取り組ませるように指導する
【岩原小学校】
○ 国語において、登場人物の行動を基に場面の移り変わりを捉えることなどについておおむね力がついている
○ 算数において、小数の減法や分数の除法など基本的な四則計算の技能が十分身についている
△ 国語において、編集の仕方や記事の書き方に注意して新聞記事を読みとることに課題がある
△ 理科において、顕微鏡の適切な操作方法など、実験器具や用具の適切な操作について課題がある
⇒ 国語において、語彙力を高めるとともに、コラムなどを活用し、引用の必要性や効果を考える学習を充実する
⇒ 理科において、実感の伴った実験や観察を行いながら、用具や道具の基本的操作を身につける
【向田小学校】
○ 算数において、基本的な計算や、図形の性質・作図について理解し、活用することができている
○ 理科において、観察・実験器具の操作方法に関する知識が身についている
△ 国語において、漢字の書き取り、文を構成する主語・述語・修飾語の理解に課題がある
△ 物事を整理して考える力、根拠を明確に示して説明する力が、共通する課題となっている
⇒ 国語において、既習の漢字の定着を図ると同時に、文の構成の基本について、指導を充実させる
⇒ どの教科においても目的や意図に応じて書くことを大切にし、思考力・説明力を育てる
【南足柄中学校】
○ 活用に関する調査において、国語・数学・理科ともに日頃の学習活動の成果が表れている
○ 理科において、他者の考察や実験方法を検討して改善し、事象の成因や仕組みを説明することが十分できている
△ 国語において、複数の資料から適切な情報を得て、自分の考えを具体的に書くことに若干の課題がある
△ 数学において、空間図形や資料の活用など、特定の学年でしか扱われない分野で若干の課題がある
⇒ 国語において、根拠を明確にする指導を継続し、書いたものを生徒同士で見合うなど、書くことに自信を持たせる
⇒ 数学において、特定の学年でのみ扱う分野についても復習する時間を捻出して、学習内容の定着をめざす
【岡本中学校】
○ 理科において、実際に体験した実験をとおして、知識・理解の定着が図られている
○ 国語において、聞き手を意識し,分かりやすい語句を選択して話す力がおおむねついている
△ 国語において、品詞の文中での働きの理解や、根拠を明確にして具体的に書く力に課題がある
△ 数学において、図形の学習や、問題文を丁寧に読み込み、情報を整理・選択する力に課題がある
⇒ 国語において、図書館やインターネット、新聞などを効果的に活用して感じたことや考えたことを書く力を養う
⇒ 数学において、生徒同士が説明する場面を意図的につくり、数学的な用語、表現を使って説明する力を養う
【足柄台中学校】
○ 数学において、関数の意味の理解や関数のグラフから具体的な事象を読み取る力がついている
○ 理科において、オームの法則を使った抵抗の大きさを求める計算の正答率が高かった
△ 国語において、複数の資料から適切な情報を得る力や根拠を明確にして自らの考えを書く力に課題がある
△ 数学において、与えられた情報や資料から数学的な表現を用いて説明する力に課題がある
⇒ 国語において、文書を書く際には、双括式やナンバリング等を用いて自らの考えを書くように指導していく
⇒ 数学において、多様な考え方で課題追求させ、その考えをわかりやすく説明できるようにする